執着を手放すために大切なこと
※この記事は2022年8月23日に収録した音声を文字起こししたものです(このような形で記事にするのは初の試み!)。ちなみに、音声で聞きたいという方はこちらからどうぞ!
今回は「執着を手放すために大切なこと」というテーマで話していきたいと思います。
早速結論からなんですけれども、執着を手放すために大切なことはですね、〝執着そのものをちゃんと観察する〟っていうことだなぁと僕は思っています。
なぜかというとですね、執着そのものには良いとか悪いとかがないからなんですよね。例えば「お金に執着する」っていう言葉を聞くと、なんかあんまりよろしくない感じのイメージを、僕は持つんですけれど。
でも、お金に執着したことによって、「もうめちゃめちゃ稼ぐぞ!」っていう、それによってビジネスがうまくいき、たくさんお金を稼ぎ、それによっていろんな物を買えば経済が回っていく。さらにどこかに寄付をすれば良い循環が生まれ、結果的にお金に執着した人、その人によって、すごく良い循環が生み出されるっていう、そんな結果をもたらすわけですよね。
でも逆に言えば、お金に執着したことによって、負債を抱えてしまったりだとか、自分が苦しんでしまうっていう方向にいってしまうケースもある。
他にも人間関係的なところで言っても、恋愛関係でどちらか一方が相手に対して執着をして、「この時間に絶対に連絡をしなきゃいけない」とか、「この日は必ず○○をしなきゃいけない」っていう、相手を縛り付けるような執着をしたときっていうのは、おそらく良い結果を生み出さないですよね。お互い疲れちゃう。
ただ一方で、熱血教師が不良生徒を更生させるみたいな。その熱血先生が生徒に強烈に執着して、もうひっぱたいても何しても学校に連れ戻して、「お前、一緒に卒業するぞ!」って言って、もうどっからその熱血が湧いてくるんだみたいな。
例えばそんなときに生徒は最初は「なんかうぜぇセンコーだな」とかって言っているけれど、何か最終的には、なんやかんや「○○先生のおかげで俺もここまでやってこれたわ」みたいな、例えばそういうことが起きたときに、結果的にその人に執着したことによって、良い結果を生み出すっていうこともあるんですよね。
こんな感じで、いろんな例を見ていくと、執着そのものって良い悪いはなくて、執着したことによって何か良いことが生まれたり、悪い結果が生まれたり、はたまた何にも起こらないっていうことがあったりとか、っていうものだなっていうのが僕の中である考えですね。
なので、自分が何かに執着しちゃってるなって思った時に、「私、こんな執着してたんだ」っていうふうに、すぐにそこに対して嫌悪感や駄目だなっていうイメージを持ってしまうのはやっぱり早すぎで、その執着によって一体何が起きているのかっていうことをまず観察しなきゃいけない。
そして、そもそも何に対して執着しているのか、なんでその執着が生まれてしまっているのか、その執着によって何が起こるのか、その後どんなことが起こっていくのか。そして本当に大事なのは、「この執着を自分は手放したいって本当に思っているのか」っていうことだったり、その辺をですね、ちゃんとつぶさに見ていく、ちゃんと観察していくっていうことがすごく大事なんですよね。
さっき言ったように、反射的に執着してる自分駄目だってなってしまうと、そもそも何に対して執着しているのかが分かってなかったりとか、この執着が生まれる原因が分かっていなかったりとか、何かそういうところに目が向かないっていう可能性が結構高くなる。
でも逆に言うと、やっぱり観察をじっくりしていくことによって「そういう原因でこの執着が生まれてるのね」とか、そもそもお金に執着していると自分では思っていたものの、よくよく深堀してみると「お金ではなくて外に見える結果というものに執着しているんだ」っていうふうに気づくこともあるわけですよね。
つまり、お金だけではなくて自分の着ている服だったり、何か社会的な属性だったり、そういう全ての外に見える数字とか、自分のステータス的なところに執着しているっていうふうに、認識が変わるかもしれない。
そうしたときに、それを手放すにはどうしたらいいかっていうふうな思考が生まれて、繋がっていくので、「執着=駄目→それを手放すためにどうする」って考えるのはちょっと早いし、それだと根本的な解決まではたどり着かないんじゃないかっていうのが僕が思っているところです。
この話っていうのは執着に限らず、もう本当に様々なことについて言えるなと思うんですけれど、こういう言葉1つ取ってみても、一見悪い印象ネガティブな印象があっても、見方によってはすごく良いものになり得る。
まずは、そういう言葉にまとわりついた、付着している雰囲気、まとった空気感、価値感みたいなものを一旦綺麗に洗ってみて、そしてそこに何が残っているか、自分はそれをどう捉えるのか。
「執着」という言葉で言ったら、自分はそもそもそれにどんな印象を抱いているのかとか、そういうところから丁寧に丁寧に見ていくと、気づけばそれがなんやかんや一番早く、かつ根本的な解決に繋がっていくというふうに僕は思っております。
そんな感じで「執着を手放すために大切なこと」というテーマでお話しいたしました。ありがとうございます。