自己否定している人を、励ましてはいけない。
「自分ってダメだなって思っちゃうんです」と自己否定している人に対して「ぜんぜんそんなことないよ」「あなたにも素敵なところがたくさんある」「生きているだけで素晴らしいんだよ」みたいな言葉はあまりに無責任だなと思います。
励まそうとしている人からしたら「肯定してあげた」と思っているんだろうけど、それは決して「肯定」にはなっていなくて、むしろ「自己否定している状態を否定している」という構図になっている。それに気づかないといけない。
特にコーチングやカウンセリング、そのほかにも「対話」や「言葉」を通じて人の支援をしている人たちは本当に、本当にここは大切にしないといけない感覚なんです。
そもそもなぜ「全然そんなことないよ」と頭ごなしに伝えてしまうか(励ましてしまうか)というと、自己否定=悪だと捉えているからです。もっと具体的にいえば「自己否定している状態を変えてあげなきゃ」「ツラい状況から救ってあげなきゃ」という気持ちが背後に潜んでいます。
もちろん自己否定している状態のままでいいというわけではないですが、その状態を変えようとしたり救ってあげようしたりする態度そのものが、自己否定している側からすると間接的に「否定された」ような感覚になるんですよね。
ただ決してそこに悪意はないし、むしろ善意での声掛けだからその励ましの言葉を受け取らないわけにもいかないという、とても苦しい状況に置かれてしまうわけです。
善意というのは、時に悪意よりも厄介なものになってしまう。とても皮肉な話ですが、こういう構造があることを理解しておくことは本当に大切だと思います。
