「自分の嫌なところを紙に書き出して直しましょう」というアドバイスについて思うこと
「自分の嫌なところを紙に書き出して、それをひとつずつ直しましょう」みたいなアドバイスをたまに見かけますが、それを愚直にやってみても本質的な解決には至れなくて(いやむしろそんなことをするほうが余計に自分を苦しめる結果になる)、
そもそもなぜ自分に対して「嫌だ」と感じているのか、その根本的な原因を突き止めていく必要があるんです。
なぜなら人は生まれながらにして「自分の嫌なところ」なんて発想は持っておらず、人生のどこかのタイミングで「嫌だ」と感じるようになった歴史が必ずあるので、それを明らかにしていかなければ本質的な解決には至らないのです。
これに似たようなアドバイスのひとつに「理想の自分に今はなれなくても、それを演じていればいずれ理想の自分になれます」みたいなこともありますが、これもまた、まったく本質的なアプローチではありません。
時にそれが有効に働く場面もあるかもしれませんが、「理想の自分を演じること」に時間を使うくらいならむしろ「なぜ今の自分をダメだと思っているのか」「どうして理想の自分を目指さなきゃならないのか」といった、自身の根っこに迫るような問いと真剣に向き合い、すでにできあがっている“人間観”を根底から覆していく必要があるのです。