ことばを超えて、音楽が連れて行ってくれる「内面世界」がある。

内面の深いところに触れるためには、ことばを通じた「対話」はもちろんのこと、ことばを使わない「対話」も必要です。たとえば、その最も代表的なところで言えば「音楽」を通じて内面で行われる「自己対話」だと思います。

というのも、2週にわたって久石譲さんのコンサートに行ってきまして、きょうはサントリーホールでオーケストラを鑑賞してきたのですが、そこで「音楽」をじっくり味わいながら心揺さぶられる瞬間がいくつかあったんです。

特に心に残ったのは「ハープコンチェルト」でした。コンチェルトというのは独奏楽器(ピアノやヴァイオリンやフルートなど)とオーケストラが一緒に演奏する形式のこと。つまり今回は「ハープ」をメインにしたオーケストラということです。

ここ最近、実はハープに興味がわいてきたところだったんですよね。千と千尋の神隠しの主題歌『いつも何度でも』を歌っている「木村弓」さんがハープ(厳密にはライアーという名前らしいです)を弾きながら歌っている動画にたまたま出会い、ひとりで観ていたら自然と涙があふれてしまうということがあったんです(たしか1週間前くらいだったかな)。

そこでハープのことについて調べたり、YouTubeで他の動画をみたり、Amazonで値段を調べたり(自分でも欲しくなった!)、そんな感じで興味をもっていたので、生のハープの演奏を聴いたときにはテンションがぎゅいんと上がっちゃいました。

ハープ、実際に生で見てみるとめちゃくちゃデカいし、弦や本体の色とか、もちろん音も含めて幻想的な感じがたまらんでしたね。特に前から10列目の席だったので余計に迫力を感じられたと思います。

実際の演奏はというと、ハープから想像される穏やかな曲が続くのかと思いきや、激しく演奏するシーンもあったのが新鮮でした。

きょう会場で配られたパンフレットの中に久石譲さんコメントもあったのですが、ハープの演奏について言及していたので、その一部を抜粋してみます↓

“通常イメージするハープは優雅で優しく穏やかな音楽なのだが、このコンチェルトは激しく、荒々しく、躍動的で今までの概念とはだいぶ異なっていると思う。それはエマニュエル(今回の奏者の方です)の演奏スタイルに感化されたこともあり自分が望んでいたことでもある。”

つまりは、みんなが思っている「ハープってこうだよね」という固定観念を飛び越えていったということなのでしょうか。

久石譲さんといえば、誰もが知っているジブリの名曲たちを数々作曲されているわけですが、そんな久石さんが74歳にしてさらなる挑戦をしているように感じて(勝手に僕がこう解釈しているにすぎないけど)、そこから「生きるエネルギー」を受け取ったように思います。

冒頭に戻ると、「音楽」というのは、「言葉」でたどり着くことのできない内面世界に連れて行ってくれるもので、コロナ禍には「不要不急」とされていましたが、人間にとってはもっとも「必要」であり「重要」であるものだと強く実感しました。

また、音楽を聴きに行きたいです。ということでおやすみなさい。毎度のことですが、長文読んでくださってありがとうございました!

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